食道がんについて
食道は、口から食べたものを胃に送る役割をする管(くだ)状の臓器です。食道がんは、この食道の粘膜から発生する悪性腫瘍で男性に多く、年間約10000人が亡くなる疾患です。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると飲み込みにくさや痛みを感じるようになります。早期に発見できれば、内視鏡治療などで根治を目指すことが十分に可能です。
食道は、口から食べたものを胃に送る役割をする管(くだ)状の臓器です。食道がんは、この食道の粘膜から発生する悪性腫瘍で男性に多く、年間約10000人が亡くなる疾患です。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると飲み込みにくさや痛みを感じるようになります。早期に発見できれば、内視鏡治療などで根治を目指すことが十分に可能です。
食道がんは、進行度によって現れる症状が異なります。初期: 自覚症状はほとんどありません。進行期:食べ物がつかえる感じ: 喉や胸のあたりで食べ物が通りにくいと感じる。胸の違和感・痛み: 飲食時にチクチクするような痛みを感じる。体重減少: 食べられなくなることで体重が減る。声のかすれ: がんが神経(反回神経)に影響を及ぼすと、声が枯れることがあります。
日本人の食道がんは、生活習慣と密接に関係しています。
飲酒: お酒を飲むと顔が赤くなるタイプ(フラッシャー)の人は、アルコールを分解する酵素が弱いため、特にリスクが高いとされています。
喫煙: タバコは食道がんの大きなリスク要因です。
逆流性食道炎: 胃酸が逆流し、食道の炎症が続くことも原因の一つになります(バレット食道)。
熱い飲食物: 非常に熱い食べ物や飲み物を日常的に摂ることは、粘膜にダメージを与えます。
日本では主に以下の2つのタイプに分類されます。
扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん): 日本人の食道がんの約90%を占めます。飲酒と喫煙が主な原因です。
腺がん(せんがん): 胃酸の逆流などによる炎症が原因で起こります。近年、欧米化に伴い日本でも増加傾向にあります。
早期発見のために、当院では最新の機器を用いた検査を行っています。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ): 粘膜の状態を直接観察します。現在は、拡大内視鏡や特殊光(NBIなど)を用いることで、ごく小さな初期がんも発見しやすくなっています。
バリウム検査: 食道の狭窄(狭くなっている部分)や形を確認します。
CT・PET検査: 周囲の臓器への広がりや、転移の有無を調べます。
病期(ステージ)や患者様体力等を加味し、最適な治療法を選択します。
内視鏡治療:早期のがんに対し、内視鏡を使って粘膜ごと切除します(ESDなど)。
手術:がんを含めた食道の切除と、リンパ節の郭清、胃などを使った再建を行います。
放射線療法:化学療法を併用し放射線を照射することでがんの根治を目指します。手術が困難な場合や早期食道がんではよい適応です。
薬物療法:抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬のことを指します。手術前後で補助療法として使用することで再発率を軽減したり、手術適応外となった高度進行がんに対しては治療の中心となります。最近では、免疫チェックポイント阻害薬の台頭により、より良い治療効果が認められています。
早期発見のためには、定期的な内視鏡検査(胃カメラ)が推奨されます。特に「お酒やタバコを嗜む方」「胸の違和感が続く方」は、一度専門医による診察をお勧めいたします。