炎症性腸疾患について

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炎症性腸疾患について

 炎症性腸疾患とは、主として下部消化管(小腸や大腸)に炎症が起き、慢性的に下痢や腹痛、下血などをきたす原因不明の難病です。潰瘍性大腸炎とクローン病に分けられます。近年、罹患数は増加しております。難病指定されており、わが国では、潰瘍性大腸炎16万人、クローン病4万人が治療をされています。
 当院ではクローン病や潰瘍性大腸炎の外科治療にも十分な治療経験をもとに対応しています。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜や粘膜下層が障害される疾患です。原因は明らかではありませんが腸粘膜の免疫系の障害が考えられています。内科治療が原則ですが、外科治療は根治的な治療の一つとなりえます。大腸の穿孔や出血、中毒性巨大結腸症、あるいは大腸癌を合併した場合には手術が必要となります。病状に応じて2-3回に手術を分けて行います。

クローン病

小腸・大腸(特に回盲部)と肛門周囲に病変を形成することが多いです。内科治療が原則であり、外科手術は生活の質の改善と内科治療の支障を除去することが目的です。発症後5年で約30%、10年で約70%の患者さんが何らかの手術を受けています。出血・穿孔・内科的治療無効例では手術を要します。できるだけ腸管を温存する術式を選択します。当院で採用しているKono-S吻合法では、変形を来たしにくい大きな吻合口をつくるため、中長期の再手術率が低いとされています。
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